テーブル

ウクルーカビンは以後あらゆる人間との関係を絶って一人の家で貯金を食いつぶして暮らしたのだが、その時に作曲し一人で奏でた音楽はいずれもそれまでどのような努力を以てしても届きえなかった高みにあった。孤独がそれを聴いた。

ウクルーカビンの日々は、とても良いものだったが、とても良くないものだった。波は波。苦しみは苦しみ。テーブルの上の頭蓋骨はテーブルの上の頭蓋骨。

ウクルーカビンは気が済むと、テーブルに自分の頭蓋骨をことりと置いて撫で、そして死んだ。