私の星を埋め尽くす希望の昆虫

 私は自分の呪いで化粧をする。ほどけた冗談を結んで首に掛ける。憎悪を爪に塗る。私は死んだ自分の怨霊であると確信している。首吊りの縄。首吊りの縄! それが私の母! 天使! それは罪と穢れの塊だ!
 私は倒れたビーカーから偶然に生まれたのだという。父はそのビーカーで全能の救世主を作るつもりだったそうなのだが、母がそのビーカーを倒してしまったため、本来生まれるはずだったものとは似ても似つかない私が生まれてしまった。私は母に引き取られた。母は父を殺し、父の仲間を殺し、私を愛情深く育てた。
 私はそれでも神に似ているとお前たちは言う! 私は主に光としてお前たちの前に現れる。私はお前たちの前に制御できない奇跡を引き起こす。そして時に血なまぐさい惨劇の引き金ともなる。私は時に人の姿を取り、お前たちの間で苦しむ。私は時に獣になり、時に怪物になり、時に、時間となる! だが、それらの全ては醜い!